冠詞の悩みを解決しよう!
難しい英語の概念や英文法のルールはいくつかありますが、その中でも「なかなか感覚が身につかない」と感じる人も多いのが「冠詞」です。
Aなの?Theなの?それともつかないのか?
学んだはずなのに、実際悩む場面が結構あるなど、日本人にとっては、理解して使いこなすまでに時間と経験がかかりやすい英語の冠詞問題です。
この記事を最後まで読んでいただければ、冠詞のルールで絶対押さえておきたいこと、冠詞の感覚に身に着け方などが分かるようになっています。
迷わないための冠詞のルールと学び方を、この記事で一緒に解決していきましょう!
冠詞に関する記事は溢れるほどありますし、書籍も沢山でているので調べやすい分野ではあります!
例えば、「ロイヤル英文法―徹底例解」や「表現のための実践ロイヤル英文法」などでは細かい説明やルールを読むことができますのでチェックしてみましょう。
ただ、読んだときは納得したはずなのに、実際に使う場面になると悩むものです。
記事の中ではできるだけシンプルに「基本と応用」を紹介しますので、冠詞の概念を思い出す場所・冠詞につまずいたときに戻れるようなページとして使ってください。
”ルールの確認”と”感覚を身に着ける作業”で「冠詞で悩む」を卒業しましょう!
冠詞の感覚を身に着ける4つの方法
まず「冠詞の基本的なルールを知る」ことが大切ですが、知識を超えて「自分も自然に使えるようになる」ためにいくつかできることがあります。
この記事でご紹介するのは、私や生徒さんたちがやってみて「実際に効果のあった4つの方法」です♡
基本的なルールやニュアンスの違いなどに関して、全く覚えていない場合は、日本語で書かれている優しい本でおさらいしてみましょう。
「ネイティブはこう使う! マンガでわかる冠詞」(Kindle Unlimitedで読めます)はカラフルなうえ、例文とイラストがわかりやすいので初級者にもおすすめです。
補助教材としては「これならわかる! 英語冠詞トレーニング 」もあります。
冠詞の使いわけを中心に、原則ルールの紹介と解説を読みながら例題を解いていく形です。
このように上記の基本をおさらいしたら、冠詞の感覚を身に着ける準備ができましたので、まずは4つの方法を見ていきましょう!
(そのあとに、実際の冠詞のルールを分けて整理していきますので、使えるものにしていきましょう。)
①冠詞ドリルをやる
冠詞はここまで簡単になるという本はもうお使いになりましたか?
「3つの基本ルール+αで英語の冠詞はここまで簡単になる~ネイティブ精選192問 どんどん解いて身に付ける」という冠詞ドリルは、数をこなしながら感覚を身に着けるのに最適な方法です。
英語サイトには冠詞ドリルのようなものがあるのですが、それぞれの問題に解説がついているわけではありません。
このドリルは、色々な問題がランダムに出されるだけでなく、回答部分に「なぜこの冠詞になるか?」という説明もついているのでお勧めです。
生徒さんたちも、書籍の半分もくれば間違えなくなっていくので、その結果からも効果を感じました。こういう場合はどうなるのだろう?というのが回答で解決されます。
単純にAですTheですというだけでなく、お決まりのセットとして覚えたほうが良いもの、場合によってつける場合と付けない場合の違いなども教えてくれます!
②英文を読みながら冠詞に〇をつける
二つ目の方法は、簡単な英語で書かれたものを選んでいただき、英文を読みながら名詞に線を引き・冠詞に〇をつけていくという方法です。
厳密に言えばもう少し細かいやり方もありますが、まずは簡単な方法を使って冠詞の存在になれていきましょう。
Enjoy Simple Englishシリーズは、色々な話題を取り上げて興味深いですし、簡単な英文で書かれているので取り組みやすいですね。(多読にも使えます。)
あくまでも冠詞の感覚を身につけたいので、優しい英語で書かれているものを使いましょう。
もう一つのおすすめはKay Hetherlyさんのエッセーシリーズです。読んでいるだけでも楽しいので英語の読み物にも最適♡
また会話の中でも冠詞もみたいので、ダイアログのテキストなどを使っても良いと思います。
見つけた冠詞に丸をつけるだけです。そして名詞には線を引きます。
③冠詞のリズムになれる
3つ目のおすすめは音声を使った取り組みです。
英語の音声をディクテーションしたときに、冠詞が抜けていたり、冠詞とほかの単語がつながって違う言葉に聞こえたりしたことはありませんか?
冠詞は通常弱い音で発音されるので、聞こえにくかったり他の音とつなげて発音されるため聞き逃しやすいのですが、そこに注目します。
冠詞がどのように文章の中のリズムにのっているのか?一緒に声にだしながら感じてみましょう。
冠詞になれてくると冠詞を入れ忘れた時に違和感を感じるようになるので、それも感覚を磨くのに役立ちますよ!
瞬時にわかる英語リスニング大特訓のような短いフレーズのものからスタートしてもOKです。
④冠詞の例文をイメージしながら読む
最後の4つ目になりました。
「冠詞を学ぶために作られている英文」というのが、書籍やオンライン上に沢山あります。
それらを利用していくつも意識しながら読んでみましょう。
特に大切なのは「頭の中にイメージを浮かべながら」声に出して読んだり、ノートに書いたりすること。
【a / an / the / 無し】はそれぞれどんなイメージが頭に浮かびますか?
頭の中に浮かぶ物の数や形、形態まで考えてみます。
サンプル英文の例 Indefinite Articles The definite article
会話訓練と知識を音声でインプット
以上の4つに取り組むことで、冠詞がとても「自然で身近なもの」に感じていくはずです。
もう一つ加えるとすれば、会話をするときに注意を払うことですが、会話の中では特に、自分と相手の物事の理解によって変わることもあるので会話の訓練もしましょう。
そして、中上級者は英語で冠詞について音声で聞いてみましょう!
📢How to know the difference between “a” and “the” in English
📢When to use articles before nouns- The time? A time? or just Time
📢Don’t Make These English Mistakes with Countable and Uncountable Nouns
📢How to Know The Difference Between “A” and “The” in English
第二部では実際の冠詞ルールを整理してみます♡
冠詞のルールは細かいようで、基本的な考え方は実はシンプルです!
ここで冠詞を整理しますが、ルールのすべてを事細かに紹介するより(膨大な情報量になるため)、実際に生徒さんたちが迷ったり疑問に思ったことを中心に全体把握ができるようなリスト作りを心掛けました。
基本ルールのすべてに「何度も目を通して概念を頭にいれ」実際に冠詞の「感覚をつけるトレーニング」方法4つを並行して行う形でやってみましょう。
冠詞の基本をおさらい(簡単だけど大切!)
ここまで読み進めてきたあなたは、早速冠詞ドリルに挑戦したり、冠詞の復習をされたかもしれません。
この記事を読んで、すぐに取り組んでくださった方や、「目からうろこでした」「まだやったことのなりやり方でした」という感想をくださった方々もいます。(嬉しいです♡)
英語学習をしていれば、冠詞の基本ルール自体はだいたいわかっているはずですが、 「 冠詞 は”不定冠詞” “定冠詞” “無冠詞” の三つしかありませんので簡単ですよ!」といわれても、そう簡単に解決できるようには見えないなと感じることもあるでしょう。
難しい言葉を使わずに復習してみましょう。
まず最初に思い出しておきたい基本中の基本
冠詞は何につきますか?名詞ですね。
名詞は人・動物・場所・物・などでしたね。(何かの質やアイデア、アクションなども入ります。)
これらの名詞につける冠詞の選択肢は[ a (an) / the / 無し]のどれかです。
この3つの選択肢を中心に冠詞ルールの概念をこれからイメージしていきます。
また忘れてはいけないのが、音との関連です。
名詞の最初の音が母音の場合、aはanにthe(th uh)の音はthe(th ee)になります。
*スペルではなくて”音”がポイントです。
例: an apple / I only have an hour for dinner tonight.
名詞の前に違う単語(形容詞が来たり、副詞+形容詞)が付く場合は、そちらの単語の音に合わせて音は変化します。
例: She is an excellent dancer. / I bought a really delicious apple.
それでは、実際にどんなルールで冠詞が決まるのか?を3つに分けて一緒にみていきましょう!
押さえておきたい冠詞の使い分け概念とルール
♡ a(an)
💡「単数で – 数えられる名詞」がキーワード。
一つの林檎ならan apple、もっとあればapplesになりますね。
a(an)が付くのは「特定されないもの」や聞き手にとって「新しい情報」「わからないもの」「存在を聞くとき」というのは聞いたことがあるかもしれません。
ここまでは当たり前に知っていることですが、日本人学習者がほんの少し悩むa(an)もみていきましょう。
💡 ~があるか?と聞きたい時
例: Do you have a pen in your bag?
「バックに入っている」から特定されているのでは?と感じる方もいますが、「あのペンある?」のようにお互い知っている特別なペンでない限り「あるかないか?」という所在確認の場合theにはなりません。
The pen in your bag … のような文の場合が、バックに入っているペンです。
💡「どんな~」と「分類」を聞いたり話したりする時にも a(an)を使います。
例:I ate an amazing cupcake. /Do you live in a house or a building? / That was a good move.
💡 ~につき、~ごとに、~で、のような時
例: I work five days a week.
一日に何回、週に何回、年に何回などの時に使います。
💡風邪や体調不良などの症状
風邪や、「頭が痛い」「喉が痛い」「おなかが痛い」などの痛みも a が付きます。
a cold / a sore throat / a headache / a toothache / a runny nose / a stomachache
💡最初の名詞にだけ a を付ける場合
名詞を羅列する場合、セットで考えられているものなどは最初の名詞だけつける。
例:She is a teacher and singer. / a knife and fork
💡 a few / a little = some
a few / a little のように a が付いているときは some の意味になります。
*これらに only や just が付くと not much という意味になります。
💡決まっているものはフレーズで覚える
お決まりのフレーズというものがあるので、その場合は考えるよりチャンクで覚えておきましょう。
例:for a long time / in a hurry / in a minute / once in a blue moon / all of a sudden
♡ 冠詞無し
日本人を時々悩ませる冠詞なしルールにうつりましょう。
定番の、空気や水など「数えられない名詞」の場合は「冠詞無し」でしたね。
air / water のように、名詞の前に基本何もつけません。
(基本はつきませんがどういう時に冠詞が付くか後程ふれます。)
💡数えられないものを復習をしてみましょう。
「グループで考えるもの」「一般的な意味で考える場合」には基本冠詞が付きません。
水分、ガス、砂、米、エネルギー系、教科、お金、グループで考えるもの、情報やアドバイス、教育などです。
*fruit/foodなどは基本数えられない名詞ですが、複数形になっているのを見たこともあると思います。食べ物やフルーツ全体をさしているのか、数えられる食べ物を指しているのか?考えましょう。
*コーヒーや水、ビールなどの液体自体は数えられませんが、一杯のというアイデアをもっている場合省略していうこともあります。
例:Can I have tow coffees? / Three waters please. / I’ll get a beer.
*光のように数えられないものでも電球をさす場合には数えられるものになります。
これらの「考え方」を頭に入れておくと他の場面でも悩みにくくなりますね。
💡 few / little = not much
(aが付くとsomeの意味になりましたが、付かないと逆になります。)
💡病名などには基本つかない
例: cancer / morning sickness / motion sickness /
風邪や症状には冠詞がつきましたが、重い病気などには基本つきません。
(The がつく病気もあります。the flu / the mumps / the measles)
💡冠詞が基本付かないものリスト *例外もある
湖・島・ビーチ・滝・個々の山・公園・病院・大学・言語・祝日・駅名など。
*「どこの何」(the ……. of ……..)と言いたいときは「通常つけない名詞」に冠詞をつけることがあります。
💡冠詞が付かない時間の表現
at night / add day / every month / last Monday / yesterday / tomorrow など。
また季節や月・曜日なども基本付きませんが、季節などの期間を表す場合や文脈によってつくことがあります。
💡方向を表すときに「動詞の後にすぐ方向が来る場合」はつけません。
例: walk north / drive south / turn right
💡ほとんどの国の名前には冠詞が付きません。地域や市町村も名前の一部でなければ基本的にはいれません。
例: I live in Japan. / I love France. / I’m from Saitama.
*States, Kingdom, Republicなどを含む国名には”the”が付きます。
(他の例:the Netherlands. the Bahamas)
💡こちらもお決まりフレーズはそのまま覚えましょう!
例:day by day / on purpose / face to face / in fact
おまけ:数えられないものを数えられるいい方へ変換するチャートや意味の違いチャートを含む、数えられる名詞と数えられない名詞の記事があります。
Nouns: countable and uncountable
♡ The
「特定の」「すでに知られている」「話に出てきた」「紹介された」でおなじみのTHEです。
すでにご存じの通り、特定のものをさす場合や、すでに聞いて知っていたり、すでに会話の中で話したものにはTheを選びますね。
また複数形のものやグループとして考えられるもの、数えられないもの(情報・アドバイス・時間など)につくこともあるので、そういう意味ではa/anとは全く違う存在です。
「聞き手に見えるもの」や「知っているものに関連するフレーズ」と一緒に出てくる場合も、どれか特定されるのでTheが付きます。
聞き手が「どの?~」がわかればつける感じですね。
Can you get me the red cup on the table?
Did you read the book you bought the other day?
💡「何番目」のようなランキングや順番を表したい時にはtheが付きます。
the third / the next / the last / the previous / the following
最上級を使った場合。
the best / the most expensive / the least favorite
比較級を使った表現。
Amy and Emily are both pretty but I think Emily is the prettier of the two.
Between Joe and you, you are the better singer.
有名なフレーズ。
The sooner, the better. (早ければ早いほど良い)
💡楽器や植物、動物や体の部位などを”一般論”として話すときもtheを付けます。
*抽象的、概念的に話す時に使う。
細かいニュアンスは学びながら身につけましょう。
*動物の場合”the”が付くと生物学的な分類が頭にある感じになります。
💡方向を表すときに「前置詞の後に方向」が来る場合はtheをつけます。
walk to the north / in the south / on the left
💡海・海洋・川・山脈・砂漠・ホテル・美術館・太陽や月・有名な絵画や建築などにもTheが付きます。
*例外はありますが、このページの全体を読み、例文などを沢山こなしたり読書をしながら概念を掴みましょう。
基本的につかないものについたり、付くはずのものが外れたりという用法は、文法書をチェックしてみましょう!→(大学・ホテル・寺院などの施設や建物に関して)
結局その名詞がどんな存在として理解されているか?どの位なじみのあるものか?どの国の人同士で話しているか?でも変わることもありますね。
💡時間の表現
in the morning/afternoon/evening
during the night/day
the day before yesterday / the day after tomorrow
💡お決まりの組み合わせも覚えておきましょう。
例:in the mood / on the other hand / by the way / on the house
最後に
ルールが沢山あるように見えますが、基本的な概念はシンプルで筋が通っています。
頭の片隅にこれらのルールいれておいていただき、実際に使って感覚を養っていきましょう!
補足:今回は特に触れることのなかったルールの一つ「冠詞以外にも所有を表す語や数量を表す語句をつける場合が」ありますがその時は冠詞はつきません。